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12月7日

いつも考えているから

原作者や脚本家がまったく意図しないことで感動してしまった。
テニスの王子様ミュージカル「南の島からきた刺客」(比嘉中戦)である。

主人公も含め、少年テニスプレイヤー達の願いは「強くなりたい」である。
その表現として「勝ちたい」がある。
しばしば「勝ちたい」は「強くなりたい」に優先してしまうが、
この程度の逆転はこの物語では許容範囲であり、世間一般でも許容範囲と考えられる。
ただし、優先順位が逆転したことによって、「どんな手段を使ってでも」勝ちたいへと安易に移行してしまう。
勝利へ至る方法を問わないのであれば、
自らが強くなるよりも相手の弱点をつく方が容易である。
微妙ではあるが、テニスの王子様の世界でも世間一般でも、このあたりが許容範囲のぎりぎりだろう。
この先、すなわち「必ず相手を傷つけて勝つ」となると、それは「悪」とされる。

比嘉中の競技者達は悪の領域にまで踏み込んでいたのである。
いや、比嘉中の部長が「強くなりたい」→「勝ちたい」→「どんな手段を使ってでも勝ちたい」→「必ず相手を傷つけて勝ちたい」へと変容してしまい、部員達は彼に引きずられていた。
しかし、主人公達と対戦することによって、部員達は本来の「強くなりたい」へと立ち帰っていった。
部長もまた「強くなりたい」へと帰れた(と思いたい)。
さすがに少年達には可塑性がある。

目的と手段の逆転は人を不幸にする…
私がいつも考えていることを、ついつい読み取ってしまった。
勝手な解釈がいつでもできるのも困ったものなのだが…

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