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[ 2006年予測 高いミツバ 新しい方言? 中高生と中高年の口害 ライブドア騒動に思う ]

1月25日

ライブドア騒動に思う

このところライブドア騒動の報道一色である。
3名の死者を出した羽越線脱線転覆事故の報道を量的にも質的にも大きく上回り、先行きの見えない米国産牛肉の問題など忘れ去られたかのようである。
報道姿勢はどこも東京地検の発表そのままであり、同じ論調のニュースが一斉に流されている。

この事件発覚のメリットは大きい。
大企業の粉飾決済が発覚し、社会的信用の厚かった企業が倒産しても、これといった対策は示されなかったが、
ここにきて根本的且つ大がかりな対策が打ち出されようとしているからだ。

しかしながら、日本経済への打撃の大きさにはめまいを覚えるほどだ。
規制と既得権益に背を向けた堀江氏は、あきらかに近未来の企業のひとつの在り方を提示していた。
伝統や権威に頼らない生き方は、それによって実力の発揮を阻まれてきた多くの日本人には、魅力と映った。

堀江氏が逮捕され、小泉政権や小泉流改革路線は潰すことができるかも知れない。
下克上的な潮流も一時的に失速させることはできるだろう。(止まることはあり得ない。)
その代償として、せっかく上昇気流に乗ってきた日本経済が停滞衰退に逆戻りしなければいいのだが。
少なくとも、個人投資家の投資欲はすっかり縮んでしまったのではないだろうか。
この状況を引き受ける小泉後の政権はさぞかしや大変だろう。

ところで、ライブドアの新社長平松氏の第一印象は「イケメンだぁ!」であった。
顔立ちの整い方がまわりと全然違う。
堀江氏は女性や若い世代に人気があったが……
もしかしてライブドアは女性受けする人物が社長になる会社なのだろうか?

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1月18日

中高生と中高年の口害

独身の高校教諭だった頃の話である。

その日は同じ学年を担当している教員同士でこっそり打ち合わせをしていた。
定期テストの10日ほど前、勿論内容はテスト問題のことだ。
テスト作成者の担当するクラスと他のクラスに差が出てしまうので、教師達はかなり苦労していた。
授業担当者が順番でテストを作成している教科もあったが、テスト毎に劇的に平均点が変動するのもどうかと思い、私達は毎回きっかり50点ずつ作成すると決めたのである。
範囲を分け、どのグラフを使うのか、どれを選択問題にするのか、論述はどのくらい出題するか、決して問題が重複することがないように詳細に話し合っていたその時。
突然、職員室のドアが開き、ひとりの女生徒が入ってきたのだ。
彼女はにやにや笑いを浮かべている。
逆に教員の側は額に汗を浮かべている。
私達はとっさに手元のメモの上に教科書を置いたのだが、もし聞かれていたなら悪あがきというものである。

すると、彼女はその場で「みぃちゃったぁ〜」と、ひやかすようにゆっくり言った。
彼女と私達の距離はほぼ5m。
彼女が見たと言っているのは、どうやら彼女が10日後に受けるテストの原案のことではなさそうだ。
彼女はそれ以上近付かずに行ってしまった。
彼女の答案も特に不審なところはなく、いつも通りの正答具合だった。

同じ学年を担当すると、打ち合わせが多くなる。
行事や自然災害(台風や大雪など)などにより、授業時間数に差が生じることがある。
進度の速いクラス用に「復習プリント」を作成し、同じものを授業が潰れ続けたクラスに渡すことがある。
高校2年の後半にもなれば、受験科目として誰がどの教科を選択するのか、情報交換もする。
しかし、そうした打ち合わせをしているのがたまたま異性で独身同士だったりすると、中高生の間では「A先生とB先生はアヤシイ」ということになってしまうのである。

アヤシイとなると、中高生は恋愛の証拠をつかもうとしつこく問いつめるものである。
大人たるもの、短く否定して、後は放っておけばよろしい。
むきになって否定したところで、彼らはそんなこたえは望んでいないからである。
彼らは望んでいないことは聞かない。
聞いても理解する気は毛頭無い。
彼らにかかれば、否定は「照れている」ことであり、「やっぱり恋愛してるんだ」と動かぬ証拠になってしまう。
○○先生とは恋愛関係にないことを分かってもらおうとすれば、無駄に精神力を消耗するだけである。

結婚後も「○○先生と結婚すると思ったのにィ」とかなり生徒に恨み言?を言われた。
デマが止んだのは、私が結婚して1年ほど経ってからだった。
中高生は活動範囲も狭く、同じクラス・同じ部活動の生徒を好きになるケースが圧倒的である。
更に、いつも誰かを好きでいなければならないと、強迫観念にとらわれている子も少なくない。
(両思いでも片思いでもかまわないが、誰か好きな人が見つからないという状態には不安を持つ。)
経験のない彼らが、大人も自分たちと同様だと信じるのは(大人には迷惑でも)仕方のないことだと思う。

さて、「狭い世界で独身の男女がいたら、それは恋愛関係でなければならない」という思いこみをするのは、中高生だけではない。
たまたま一緒に飲みに行ったというだけのことで、職場のおばさん達の噂の的になってしまい、閉口している――
という嘆きを、忘れた頃に聞くのである。
中高生と違い、おばさん達なら活動範囲も広く、経験も豊富であるはずなのに。
生徒の冷やかしは諦められても、おばさんの思いこみによる冷やかしには納得がいかない、
当然だろう。

単なる同僚とのコミュニケーション、酷い場合には職務上の打ち合わせを、恋愛に偏向してデマを飛ばす―――
中高生と中高年の口害を封じる手だては今のところ思いつかない。

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1月6日

新しい方言?

女の子が「うち」と自称していたら、彼女は関東育ちである。

関東に住む少女達、あるいは若い女性達の会話でよく出てくるのが
「うち(うちら)、○○じゃない?」
である。
アクセントは異なるが、「うち」といったらかつては関西に住む女性の一人称であった。
何がきっかけになったのかよく分からないが、今や「うち」は関東の方言と言える。

私は今後、日本語の話し言葉で女言葉と謙譲語は縮小していくだろうと予測している。

経済活動が国境を越えて久しいが、今や一般の市民が国際的な(現在のところ欧米流の)感覚を要求されている。
残念ながら謙譲の美徳は自らの立場を不利な状況に追いやる可能性があるので、相手を尊敬しつつ、自尊心も高く持つべきなのである。
(何度か書いたけれど、「世界に一つだけの花」はそうした現代の要請に応えた歌詞であると思う。)

一方の女言葉はもともと日本語にはない。
これをよどみなく正確に使いこなす世代(昭和一桁〜20年代生まれ)の人口は今後減少していく。
しかも、彼女達の多くは専業主婦である。
主婦としての意識が高い人々から構成されるのならともかく、「専業(プロ)を名乗るのはどうよ?」な方や「他の職業でなら十分社会に貢献できたのに。残念!」な方も多く含まれている。
(既婚女性であれば、その適性に関係なくプロの主婦としての人生を要求したのは、いわば国策の如きものである。
昭和30年代生まれより下の人たちならまだ選択肢はあったが、彼女達が職業を手放さずにいるのはとても困難なことだった。
にもかかわらず、選択肢のあった年代と同様に税制上の優遇措置は外されていく。)
ドラマでどのように描かれようと、やはり彼女達の影響力は弱い。

それに替わって再浮上が予測されるのは方言である。
ほんの1/4世紀前の人々(特に若い女性)が方言を恥じ、隠そうとしていたのが嘘のようだ。
ただ、「うち」のように、単純に昔からの方言が復権するわけでもなさそうだ。
注目を浴びた地域の方言が別の地域に取り入れられ、融合し、変形し、新しい方言として誕生するのだろうか。
10年ほど前から注目されている沖縄の方言が、今後どのように各地で取り入れられていくか、楽しみである。

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1月3日

高いミツバ

年末年始は生鮮食料品が高い。
特に青物はもうどうしようもない。

年末、スーパーの野菜コーナーの前でまたもや不思議に思った。
ミツバも他の青物同様高いのだが
根が付いたミツバはいつもの2倍の値段
根切りミツバはいつもの3倍の値段
………
私は迷わず根が付いた方を選んだ。

それにしても、根がない分だけ早く傷んでしまう方が高価だとは。
なぜこういう値段設定になっているのだろう?

その後、デパートや料亭のおせちが人気だと聞いて合点がいった。
直接の動機は「美味しいものを食べたい」だろうが、
隠された動機は「ゴミを家の中に保管しておきたくない」からなのだ。
「最近の若い人」批判が好きな世代ですら、ゴミ収集予定表を見た時には
年末年始が寒い季節であることに安堵するではないか。

若い世代の価値観は、傷みやすく高価な根切りミツバを選ぶところまで進んでいる。

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1月1日

2006年予測

[地元の中小企業]

保守的で大がかりな公共工事が好きだった地域も、いよいよ財政が逼迫する。
ついにどこの地域でも公共事業は、リサイクルや修理・補修が中心になる。
すると、今までは大規模すぎて手がでない、あるいは下請け孫請けの形でしか参加できなかった地元業者にも、参入のチャンスが生まれる。
または上投げしなくても手に負えるようになる。
こうして、公共事業の縮小に伴って、地元中小企業のうち、企業の都合よりも市場の要求に合わせられる企業が息を吹き返す。

[雇用]

24時間営業の拡大に伴って、誰もが嫌がる就業時間帯(未明〜早朝)の販売職として、気兼ねなく低賃金で使える人たち(高齢者・女性・未成年・障害者)の雇用が拡大する。
ただし、30代独身女性は「気兼ねなく低賃金グループ」から外れていき、20代〜50代男性同様に責任と安定のある仕事待ち状態になる。

[日本語]

30代が「オタク」と思う人物を20代では「キモオタ」と表現し、
30代が「一般人の範疇」と思う人物が20代には「オタク」、
30代には「無趣味な変人」が20代には「一般人」
年代や文化による細分化が加速する。
人工的な「標準語」は「共通語」として認識されるようになる。
そのためよりシンプルになり、女言葉や謙譲語などが縮小。
また、地域の共通語として方言がある程度復活する。

[ファッション]

クールビズ・ウォームビズの普及が進む。
同時にデザインはより動きやすい方向へと進化する。
ただし、未就学児や腰が重く感じる時には案外快適なので、スカートは淘汰されないで残る。

……どれかあたるだろうか?

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